競馬けいば)” の例文
父親は競馬けいばのあるはずの町で、屋台店の車を立てようとしていた。マチアとわたしは商売のほうになにも用がないので、町からかなりへだたっていた競馬場けいばじょうを見に行った。
ところが、それ以来いらい青服あおふくには、競輪けいりんも、競馬けいばも、いっこうにうんがむいてこず、かね工面くめんくるしみました。一ぽう家主やぬしからは、つぎばやにかねをさいそくされたのであります。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのつぎの年私どもは町の中学校に入りましたがあの二人の役人にも時々あいました。二人はステッキをふったりつつみをかかえたりまた競馬けいばなどでって顔を赤くしてさけんだりしていました。
二人の役人 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
丘のふもとのバスの停留所ていりゅうじょのすぐ前の酒場さかばぎんねこ』では、さっきからまるまるとふとったおやじが、むちゆうになって、ひとりのきゃくをあいてに、さかんに、競馬けいばの話をまくしたてていた。
「よく見える。あたかも鞍馬くらまの上から加茂かも競馬けいばを見るようにな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かけものゝ牛の子かちし競馬けいばのり梅にいこふをよしと思ひぬ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
酒屋さかやのおじさんが、あのおとこは、べつに仕事しごともせず、競輪けいりんや、競馬けいばで、もうけたかねで、ぶらぶらしてらすんですって。そして、お体裁ていさいにあんなよけ眼鏡めがねをかけているのだって。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)