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竈河岸
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へっついがし
ふりがな文庫
“
竈河岸
(
へっついがし
)” の例文
安宅
(
あたけ
)
の松の鮨、
竈河岸
(
へっついがし
)
の
毛抜
(
けぬき
)
鮨、深川
横櫓
(
よこやぐら
)
の小松鮨、
堺町
(
さかいちょう
)
の
金高
(
かねたか
)
鮨、両国の
与兵衛
(
よへえ
)
鮨などが繁昌し、のみならず鮨もだんだん贅沢になって
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
竈河岸
(
へっついがし
)
、浜町、それで田辺の家の方では
樽屋
(
たるや
)
のおばさんや大川端の兄を呼んでいた。それを捨吉は涼子に応用した。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
浜町を抜けて明治座前の
竈河岸
(
へっついがし
)
を渡れば、
芳町
(
よしちょう
)
組合の芸者家の間に打交りて私娼の
置家
(
おきや
)
また夥しくありたり。浜町の女と区別してこれを
蠣殻町
(
かきがらちょう
)
といへり。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
明治座前に
竈河岸
(
へっついがし
)
へかけて橋がかかった。川を離れてその橋じりへまで、芝居茶屋が飛んで建ったほどだ。
旧聞日本橋:19 明治座今昔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
広い道を
横断
(
よこぎ
)
って、お千代は
竈河岸
(
へっついがし
)
の方へ曲る細い横町の五、六軒目、
深草
(
ふかくさ
)
という
灯
(
あかり
)
を出した家の格子戸を明けると、顔を見覚えていた女中が取次に出て
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
町中を流れる黒ずんだ水が見える。
空樽
(
あきだる
)
を
担
(
かつ
)
いで
陸
(
おか
)
から荷舟へ通う人が見える。
竈河岸
(
へっついがし
)
に添うて
斜
(
はす
)
に樽屋の店も見える。何もかも捨吉に取っては親しみの深いものばかりだ。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は
二六時中
(
しじゅう
)
見ていても子供だからそんなに大切にしなかったし、おかみさんのおもよというのは、
竈河岸
(
へっついがし
)
の竃屋の娘で、おしゃべりでしようのなかった女だから、輝国が死んでから
旧聞日本橋:22 大門通り界隈一束(続旧聞日本橋・その一)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
兜町
(
かぶとちょう
)
の贔屓先へ出稽古に行った帰り道、寒さしのぎに一杯やり、新大橋から川蒸汽で家へ帰ろうと思いながら、雪の景色に気が変り、ふらふらと行く気もなく
竈河岸
(
へっついがし
)
の房花家をたずねますと
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
就中
(
わけても
)
、まだ小娘のように思われていた人達が遽かに姉さんらしく成って来たには驚かされる。そういう人達の中には
大伝馬町
(
おおてんまちょう
)
の大勝の娘、それから
竈河岸
(
へっついがし
)
の
樽屋
(
たるや
)
の娘なぞを数えることが出来る。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの貧乏な勝梅さん(前出、長唄の師匠)の
蠣殻町
(
かきがらちょう
)
の家から出ると
豊沢団
(
とよざわだん
)
なんとかいう
竈河岸
(
へっついがし
)
の義太夫の師匠の表格子にたって、ポカンと中の稽古をきいて過し、びっくりして歩きだして橋を渡ると
旧聞日本橋:19 明治座今昔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
竈
漢検準1級
部首:⽳
21画
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
岸
常用漢字
小3
部首:⼭
8画
“竈”で始まる語句
竈
竈場
竈屋
竈馬
竈山
竈辺
竈神
竈男
竈下
竈元