“へっついがし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
竈河岸77.8%
竃河岸22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浜町を抜けて明治座前の竈河岸へっついがしを渡れば、芳町よしちょう組合の芸者家の間に打交りて私娼の置家おきやまた夥しくありたり。浜町の女と区別してこれを蠣殻町かきがらちょうといへり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
明治座前に竈河岸へっついがしへかけて橋がかかった。川を離れてその橋じりへまで、芝居茶屋が飛んで建ったほどだ。
電気行灯でんきあんどんの灯の下に、竃河岸へっついがしの笹巻のすしが持出された。老父は一礼して引込んで行った。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
就中わけても、まだ小娘のように思われていた人達が遽かに姉さんらしく成って来たには驚かされる。そういう人達の中には、大伝馬町おおてんまちょう大勝だいかつの娘、それからへ竃河岸へっついがし樽屋たるやの娘なぞを数えることが出来る。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)