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空々
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そら/″\
ふりがな文庫
“
空々
(
そら/″\
)” の例文
彼はその料理屋へ尋ねて行き、
未
(
いま
)
だに
白粉
(
おしろい
)
の厚い彼女と一時間ばかり話をした。が、彼女の
空々
(
そら/″\
)
しいお世辞に
幻滅
(
げんめつ
)
を感ぜずにはゐられなかつた。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
とすると、今度の戦争は有史以来特筆大書すべき深刻な事実であると共に、まことに根の張らない見掛倒しの
空々
(
そら/″\
)
しい事実なのである。(つゞく)
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「俺もそんな事だらうと思つたよ。二人の惡口の言ひ合ひは、あんまり度を過ぎるから、反つて
空々
(
そら/″\
)
しく聽えるんだ」
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お神さんには、たゞの一と言も、あたしのことを云ひ置いて行かなかつたつていふんだけど、「来たら、よろしく」なんて云ふ方が、却つて
空々
(
そら/″\
)
しいかしら……。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
來
(
く
)
ると、
宛然
(
まるで
)
空々
(
そら/″\
)
しい
無理
(
むり
)
な
元氣
(
げんき
)
を
出
(
だ
)
して、
強
(
し
)
ひて
高笑
(
たかわらひ
)
をして
見
(
み
)
たり、
今日
(
けふ
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
顏色
(
かほいろ
)
が
好
(
い
)
いとか、
何
(
なん
)
とか、ワルシヤワの
借金
(
しやくきん
)
を
拂
(
はら
)
はぬので、
内心
(
ないしん
)
の
苦
(
くる
)
しく
有
(
あ
)
るのと、
恥
(
はづか
)
しく
有
(
あ
)
る
所
(
ところ
)
から
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
もう一度家の中に入つて、内儀のお加奈にも逢ひましたが、
空々
(
そら/″\
)
しくないほどに
萎
(
しを
)
れて、今日はさすがに、あの凄い角度を覗かせません。下女のお徳は平凡な四十女でこれは何んにも知らず。
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
燃えるやうに——といふ言葉は、決して
空々
(
そら/″\
)
しい形容ではありません。梅干大の夜光の珠は、
宇宙
(
うちう
)
創造の神秘を籠めた、プロメトイスが盜んだ
坩堝
(
るつぼ
)
の焔のやうに、全くメラメラと燃えて居るのです。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
などと、よくも斯う
空々
(
そら/″\
)
しい事が言へるかと思ふ程です。
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
空々
(
そら/″\
)
しい文句です。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
々
3画
“空々”で始まる語句
空々寂々
空々漠々
空々敷
空々然
空々若々