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稜線
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りょうせん
ふりがな文庫
“
稜線
(
りょうせん
)” の例文
明け放した
硝子扉
(
ケースメント
)
の向うは、ゆるい起伏のある丘で、はるか遠いその
稜線
(
りょうせん
)
のうえに、中世紀の城のような白い家がぽつんとひとつ立っている。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
正季が脱したその逃げ道は、上赤坂の三面の谷あいを除く一条の馬ノ背道の
稜線
(
りょうせん
)
で、そこを南へのぼりつめれば、修道寺から金剛山の頂へ出る。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その窓の下のところに並べてあった事務机や椅子がひっくりかえり、その中に見覚えのない大きな箱が、
稜線
(
りょうせん
)
を
斜
(
ななめ
)
にしてあぶない位置をとっている。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
夕映えの色もうすれた東の空に、筑波山の高い
嶺
(
みね
)
と、加波山の
稜線
(
りょうせん
)
がくっきりと黒く見えた。つなは笹藪から道へあがり、人馬の列のほうへ近づいていった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
道の左側には、巨大な
羊歯
(
しだ
)
族の峡谷を
距
(
へだ
)
てて、ぎらぎらした豊かな緑の
氾濫
(
はんらん
)
の上に、タファ山の頂であろうか、
突兀
(
とっこつ
)
たる
菫色
(
すみれいろ
)
の
稜線
(
りょうせん
)
が眩しい
靄
(
もや
)
の中から覗いている。静かだった。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
鋒杉
(
ほこすぎ
)
の
稜線
(
りょうせん
)
のうえに、まっ青な空がひろがり、それを突きさすように高く伸びあがった
檣
(
マスト
)
の頂きで、虹色の旗がヒラヒラと風にひるがえっている。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
登ってゆく山の、
稜線
(
りょうせん
)
に、もう少しで隠れようとしている。あたりはかなり明るいが、逆光線で、突き出ている岩や、ところどころ
斑
(
まだら
)
に生えている、草や
灌木
(
かんぼく
)
の茂みが、際立って暗い。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
空は鼠色の厚い層雲に
掩
(
おお
)
われ、西のほうに一とところ、低く、朱と金色に縁取られた雲の切れ目があって、それが、丘陵のうち重なる広い山なみを、その
稜線
(
りょうせん
)
だけ
錆
(
さ
)
びたはがね色に、染めていた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“稜線”の意味
《名詞》
稜線(りょうせん)
山の頂と頂とを結んで続く線。
(出典:Wiktionary)
“稜線(
尾根
)”の解説
尾根(おね)は、谷と谷に挟まれた山地の一番高い部分の連なりのことである。山稜(さんりょう)、稜線(りょうせん)とも言う。地図上では等高線の突出として示される。
(出典:Wikipedia)
稜
漢検準1級
部首:⽲
13画
線
常用漢字
小2
部首:⽷
15画
“稜”で始まる語句
稜
稜威
稜々
稜角
稜立
稜形
稜堡
稜鏡
稜峭
稜嶒