秋葉あきば)” の例文
四郎兵衛さんの会所から秋葉あきば様の常夜灯までの間を虱潰しらみつぶしに数えてみた所で、あの人に気のない花魁などと云ったら、そりゃ指折る程もなかっただろうよ。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「今夜はそれ、秋葉あきばさんの縁日えんにちだろう。で、別に用はなし、暑くもあるから、みんなで出かけたのよ」
その頃、遠州えんしゅう秋葉あきばの一修験者しゅげんじゃが、越後に逗留していて、上杉家の家中の者からこのはなしを聞き
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ある日の日暮ひぐれどき私たちはこの遊びをしていた。私に豆腐屋とうふや林太郎りんたろう織布しょくふ工場のツル——の三人だった。私たちは三人同い年だった。秋葉あきばさんの常夜燈じょうやとうの下でしていた。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
左は秋葉あきば神社への道で割合に広く、右は亀井邸への道で、曲るとすぐに黒板塀くろいたべいの表門があります。邸に添って暫く行った処に裏門があり、そこからは道も狭くなって、片側は田圃たんぼになります。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
木母寺もっぽじには梅若塚うめわかづか長明寺ちょうみょうじ門前の桜餅、三囲神社みめぐりじんじゃ、今は、秋葉あきば神社の火のような紅葉だ。白鬚しらひげ牛頭天殿ごずてんでんこい白魚しらうお……名物ずくめのこの向島のあたりは、数寄者すきしゃ通人つうじんの別荘でいっぱいだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
秋葉あきば様への近道になります、その先は信州の飯田いいだで」
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
秋葉あきばエンヂナアがうなずいた。
留さんとその女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)