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硝子越
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ガラスご
ふりがな文庫
“
硝子越
(
ガラスご
)” の例文
彼はちょっとためらった
後
(
のち
)
、隣り合った
鳥類
(
ちょうるい
)
の標本室へはいった。カナリヤ、
錦鶏鳥
(
きんけいちょう
)
、
蜂雀
(
はちすずめ
)
、——美しい大小の
剥製
(
はくせい
)
の鳥は
硝子越
(
ガラスご
)
しに彼を眺めている。
早春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
圭さんは
臍
(
へそ
)
を洗うのをやめて、湯槽の
縁
(
ふち
)
へ
肘
(
ひじ
)
をかけて
漫然
(
まんぜん
)
と、
硝子越
(
ガラスご
)
しに外を眺めている。碌さんは首だけ湯に
漬
(
つ
)
かって、相手の臍から上を見上げた。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
アンディーヴの戻茎の群れは白磁の鉢の中に在って油の照りが行亙り、
硝子越
(
ガラスご
)
しの日ざしを鋭く
撥
(
は
)
ね上げた。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「いゝ晩ですこと。」と
硝子越
(
ガラスご
)
しに見ながら、彼女は云つた。「星は光つてゐないやうですけれど。ロチスターさんは、どうやらいゝ旅行をなさいましたでせうよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
障子の
硝子越
(
ガラスご
)
しに、
黐
(
もち
)
の樹が見え、その樹の上の空に青白い雲がただよっているらしいことが光線の具合で感じられる。冷え冷えとして、今にも
時雨
(
しぐれ
)
が降りだしそうな時刻であった。
冬日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
持ち主の知合いに頼まれて、去年の冬から住むことになったその家は、蔵までついていてかなり手広であった。薄日のさした庭の
山茶花
(
さざんか
)
の
梢
(
こずえ
)
に、
小禽
(
ことり
)
の動く影などが、障子の
硝子越
(
ガラスご
)
しに見えた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そういって
硝子越
(
ガラスご
)
しに、暗い外を透してみていた教授は、何に
駭
(
おどろ
)
いたか
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
硝
常用漢字
中学
部首:⽯
12画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
“硝子”で始まる語句
硝子
硝子戸
硝子窓
硝子扉
硝子杯
硝子張
硝子玉
硝子盃
硝子壜
硝子障子