しばだた)” の例文
つかつかと行懸ゆきかけた与吉は、これを聞くと、あまり自分の素気そっけなかったのに気がついたか、小戻こもどりして真顔まがおで、眼を一ツしばだたいて
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或者は火に手をかざしたまま、くすぶる煙に眼をしばだたいている。さもなくば酒を温めながらこれに合槌あいづちを打って陽気にするばかりだ。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それではどうもお位牌に対しても済まぬから、おれ始終しょっちゅう其が苦になっての……と眼をしばだたかれた時には、私も妙な心持がした。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
つか/\と行懸ゆきかけた與吉よきちは、これをくと、あまり自分じぶん素氣そつけなかつたのにがついたか、小戻こもどりして眞顏まがほで、ひとしばだたいて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)