真相しんそう)” の例文
旧字:眞相
これを一読するにおしむべし論者は幕末ばくまつ外交の真相しんそうつまびらかにせざるがために、折角せつかくの評論も全く事実にてきせずしていたずらに一篇の空文字くうもんじしたるに過ぎず。
ことの真相しんそうを知らない場外じょうがい見物人けんぶつにんは、いろいろみょうな顔をしているし、事情じじょうを知っている人々は、大鷲おおわしからてられた美少女びしょうじょの一身が、いずれにるか奪られるかと
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みんなは、それを不思議ふしぎおもいました。だれも、その真相しんそうはわからなかったのです。辰吉たつきちが、こうもりになったというものもあれば、また、辰吉たつきちは、ふくろうになったのだといったものもあります。
木に上った子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それからかれ以上いじょう仰天ぎょうてんしたのは、使者がもたらしてきたことによって、はじめてことの真相しんそうを知った大久保石見守おおくぼいわみのかみであり、和田呂宋兵衛わだるそんべえであり、そのほか徳川家とくがわけせきをおくものすべてであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)