ほんと)” の例文
新字:
『まあうですか。ちよつとお手紙にも其麽そんな事があつたつて、新太郎が言つてましたがね。お前さん達、まあ遠い所をよくお出になつたことねえ。ほんとに。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
二人は呆れるお靜を後に、ほんとに鳥のやうに飛んで行つてしまひました。
『藤野樣ア水車の心棒に捲かれて、杵に搗かれただ。』と大聲にわめいた。私は僞ともほんととも解らず、唯強い電氣にでも打たれた樣に、思はず聲を立てて『やあ』と叫んだ。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
雖然だどもなす、お八重さん、源助さんほんとれてつてえべすか?』とお定は心配相に訊く。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『怎したけな、ほんとに?』と繰返した。『俺ア何が惡い事でもしたげえ?』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『そですかぢやない。ほんとに渇くんだよ、昨晩ゆうべ少し飮んで來たからな。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)