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眇眼
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すがめ
ふりがな文庫
“
眇眼
(
すがめ
)” の例文
矢部は彼が部屋にはいって来るのを見ると、よけい顔色を
険
(
けわ
)
しくした。そしてとうとうたまりかねたようにその
眇眼
(
すがめ
)
で父をにらむようにしながら
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あいつはかつ子が軽微の
眇眼
(
すがめ
)
なのを誤解して自分に秋波を送つてゐるのだと有頂天になつた
莫迦
(
ばか
)
野郎だが、いつの間にか彼女は岸田のきも云はなくなつた。
現代詩
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
そのために登勢はかえって
屈託
(
くったく
)
がなくなったようで、生れつきの
眇眼
(
すがめ
)
もいつかなおってみると、思いつめたように見えていた表情もしぜん消えてえくぼの深さが目だち
蛍
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
両側は崩れ放題の
亀甲石垣
(
きっこういしがき
)
、さきは
湊橋
(
みなとばし
)
でその下が
法界橋
(
ほうかいばし
)
、
上流
(
かみ
)
へ上って
鎧
(
よろい
)
の渡し、藤吉は
眇眼
(
すがめ
)
を凝らしてこの方角を眺めていたが、ふと小網町の河岸縁に真黒な
荷足
(
にたり
)
が二
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
跛足
(
ちんば
)
で
眇眼
(
すがめ
)
でちんちくりんの山本
勘助
(
かんすけ
)
の例を引いて、体の器官に不備な所があるのは却って威容を増すものだなどゝ云う風に上手に吹っ込む者があると、だん/\当人も慰められて
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
ふたつ並べたその鼻の
孔
(
あな
)
に、
眇眼
(
すがめ
)
に、まだ歯も生えぬ
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
想像していたのとはまるで違って、四十
恰好
(
かっこう
)
の肥った
眇眼
(
すがめ
)
の男だった。はきはきと物慣れてはいるが、浮薄でもなく、わかるところは気持ちよくわかる
質
(
たち
)
らしかった。
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
巻いてゐた帯を解いて
絣
(
かすり
)
の前掛だけになり——帯は彼の入場料になつて、彼は活動写真に感激した余り、二階の上りつぱなの壁に、墨で以て、
眇眼
(
すがめ
)
の尾上松之助の似顔絵を大きく書いたり——
釜ヶ崎
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
眇眼
(
すがめ
)
の眼もヒステリックに釣り上がって、唇には血がにじんでいた。
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
その眼は
稍
(
やや
)
眇眼
(
すがめ
)
であった。斜視がかっていた。だから、じっとこちらを見ているようで、ふとあらぬ方向を凝視している感じであった。こんな眼が現実の底の底まで見透す眼であろうと、私は思った。
四月馬鹿
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
もっともお千鶴は美人は美人にしろ、一等には少し無理かと思えるほどの
眇眼
(
すがめ
)
で、本当はおれの思いちがいだったかも知れないが、とにかくお前よりはおれの方が好かれていたことだけは、たしかだ。
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
眇
漢検1級
部首:⽬
9画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“眇”で始まる語句
眇
眇目
眇々
眇然
眇眇
眇茫
眇視
眇目鍛冶
眇少
眇爾