直線ちょくせん)” の例文
風をきって一直線ちょくせんに手をはなれた独楽は、ゆくところまでゆくとビューッとうなりをあげて見物けんぶつの頭の上へ落下らっかしてきそうなようす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああおそくなった。はやかえっておてつだいをしなければならぬ。」とおもって、いそいで、あおそらしたを、自分じぶんたちのほうかって、一直線ちょくせんはしってきました。
はちとばらの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ニールスが気がついてみますと、どうやら、ガンのむれは一直線ちょくせんすすんではいないのです。みんなはスウェーデンの南部の地方を、あちこちとびまわっているのです。
落ちていった小さな黒点こくてんは、目にもとまらず直線ちょくせん谷底たにそこへ、——そしてくるった大鷲おおわしは、せつな! つつをそろえて釣瓶つるべうちにってはなした鉄砲組てっぽうぐみたまけむりにくるまれて、一しゅん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とつぜんそこで、クルッと巨大きょだいなからだをまわしたと思うと、あッとあきれる人声をあとに、わし天目山てんもくざん方角ほうがくへむかって、一直線ちょくせん——をはなれた鉄箭てっせんのように飛んでしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)