盲探めくらさぐ)” の例文
兩國だけぢやわからないが、それでも江戸中を盲探めくらさぐりに搜し廻るよりは樂だらう。——兩國へ行つたら、輕業かるわざ、足藝、玉乘りの小娘に氣をつけて見るが宜い。
しか彼女かれあくまでも強情であった。倒るるまでは進むという覚悟で、方角も知らずに起きつころんづ、盲探めくらさぐりに辿って行くと、かくも普通の山路やまみちらしい処まで漕ぎ着けた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と思ううちに、光はたちまち消えて座敷は再びもとの闇、の恐しい婦人の姿も共に消えてしまった、私は転げるように寝台から飛降とびおりて、盲探めくらさぐりに燧木マッチを探りって、慌てて座敷の瓦斯ガスに火をとぼ
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)