目見まみ)” の例文
まつたそが中の御厨子みづしの本尊、妖娟たをやかなる天女の姿、匂ひやかなる雪の肌、たば消ちなむ目見まみの霞……造りも造りたる偽の御堂よな。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
奥のおん目見まみえをゆるされ、正服着て宮に参り、人々と輪なりに一間ひとまに立ちて臨御りんぎょを待つほどに、ゆがみよろぼひたる式部官に案内せられてきさき出でたまひ、式部官に名をいはせて
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
日おもてにひた黒の牛立てりけり深くうなぶし見るとなき目見まみ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
長順 幼き時ゆこがれたる、ほの珍らかにいと甘き、いとあえかにもなつかしき『不可思議』の目見まみは我胸よりまつたく消えうせ、のこれるは氷の如きくうの影。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
日おもてにひた黒の牛立てりけり深くうなぶし見るとなき目見まみ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひはててなほしやはらとます目見まみひじりなにをか宿したまひし
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
北支那に砲とどろきし頃よりぞ目見まみ闇くなりて我は籠りつ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夕光ゆうかげのかがよふ舟にうなかぶし目見まみおとなしきあめの牛はも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひむがしの海さしわたる朝日影石仏はしぬこよなき目見まみ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日の暮は目見まみ薄らよとる父に蘇鉄は寒し層む葉のくま
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
目見まみ青きドミニカびとは陀羅尼だらにし夢にも語る
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あふぐともなき目見まみのゆめ、やはらに涙さそふとき
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
髮の香か、目見まみのうるみか
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
目見まみしらみ、うすらなやめば
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
藁すぐる子の目見まみゆゑ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)