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盜人
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どろばう
助けられしは
嬉しく思ひしが是また同じく
勾引か
盜人にてあるべし如何して
能らんやと
薄氣味惡く
胡亂々々するを見て半四郎は是を
するのみなり時に半四郎は
大音上盜人が
這入しぞや家内の者共
起給へ/\と
呼るにぞ夫れと云つゝ亭主は
勿論飯焚下男迄一同に騷ぎ
立盜人は
何處へ這入しと六尺棒或ひは
麺棒又は
箒摺子木など得物を
呑こみ私しことは
此家へ
盜賊に
這入らん爲に只今屋根へ
登りしなり
見遁したまへと申ければ彼男は
微笑ナニ盜賊に這入らんとする者が其樣に
震へては
所詮盜む事出來ず
偖は
貧に
迫りし出來心の
新まい
盜人かと云ふに喜八仰せの
通り何を