白袴しろばかま)” の例文
紺屋こうや白袴しろばかまどころでなく、これでは柳吉の遊びに油を注ぐために商売をしているようなものだと、蝶子はだんだん後悔した。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
紺屋こうや白袴しろばかまかと訊いたら、だ自分の鼻に応用するほど確信がないと答えました。金さえ儲かればいんでしょう。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
一人が、槍をもって、かぶとをつけた頭を持上げながら、腹いに進んでいた。その後方から、竹胴に、白袴しろばかまをつけ、鉢巻をしたのが、同じように、少しずつ、前進していた。
近藤勇と科学 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
一火をはじめ白袴しろばかま門下もんかたちが、あたりの役人をしわけて前へすすんできたかと思うと、地上に気をうしなってたおれていた美女びじょのからだを、てんぐるまにかつぎあげて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平野をどり舞人まひびとと思はるる黒紋附に白袴しろばかま穿きたるいでたちのボオイ達、こちたく塗れるおしろいの顔、出場でば待遠まちどほげに此方彼方こなたかなたするが、目に変化へんげのものの心地もせられて可笑をかしくさふらひき。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)