やめえ)” の例文
わしは矢切の婆アでございます、今度こんたびは又飛んだ行違ゆきちげえから伊之助さんがえれえやめえになったと云うは、私どもで怨んでるという訳なんで
小主公わかだんな貴方あなたはなぜそう弱くおなんなすったね、やめえなんざ気で勝つもんです。大方何でしょう、そんな引込思案をなさいますのは、目のためじゃあござりますまい。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若草も成仏して、伊之助さんのやめえなおろうかと存じまして、私がめえった訳でごぜえますから、何分にも何うか婚礼の真似事だけをネ番頭さん
是れが三両ぐらいのことなら大事な御主人のやめえには換えられねえから、うちを売ったって其の薬を買って上げたいとは思いますが、三拾両なんてえらい話だ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の代り己の娘が悪いやめえを引受けませんよう、朝晩凶事なく達者で年期の明くまで勤めますようにと、お前心に掛けて、ふだん信心する不動様でも、お祖師様でも
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其の若旦那のやめえが癒らねえから、仕方なしにお離縁になったが、大きな腹ア抱えて世間に顔向けが出来ねえ、外聞げえぶんが悪くって生きて居られねえッて、枕橋から身を投げるとこを助けて