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畏懼
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いく
ふりがな文庫
“
畏懼
(
いく
)” の例文
ああ果たしてしからんか、あるいは孤独、あるいは
畏懼
(
いく
)
、あるいは苦痛、あるいは悲哀にして汝を悩まさん時、汝はまさにわがこの言を
憶
(
おも
)
うべし。
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
恐らく今度も、矛盾撞着が針袋のように覆うていて、あの
畏懼
(
いく
)
と嘆賞の気持を、必ずや
四度
(
よたび
)
繰り返すことであろう。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
自分のまわりを眺めたときのあの、
畏懼
(
いく
)
と、恐怖と、嘆美との感じを、私は決して忘れることはありますまい。
メールストロムの旋渦
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
「まことに我われの怠慢で申し訳がない」心から
畏懼
(
いく
)
するように、寒風のなかで彼等はなんども汗を拭いた。
野分
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
裏面から観察するとすれば酔漢の
妄語
(
もうご
)
のうちに身の毛もよだつほどの
畏懼
(
いく
)
の念はあるはずだ。元来
諷語
(
ふうご
)
は
正語
(
せいご
)
よりも皮肉なるだけ正語よりも深刻で猛烈なものである。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
当時も四、五羽相集め、暇さいあればこれを
撫育
(
ぶいく
)
いたしおり候に、小鳥もまた
押馴
(
おうじゅん
)
し、食物を掌上に載せ出だせば、来たりてこれを
啄
(
ついば
)
み、少しも
驚愕
(
きょうがく
)
畏懼
(
いく
)
の風これなし。
妖怪報告
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
戦争は人世中もっとも
畏懼
(
いく
)
すべき患害にしてその社会を毒することバフイロツキセラ〔害虫の名〕の
葡萄樹
(
ぶどうじゅ
)
における、もしくはコレラ病の人生におけるよりもはなはだしとす。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
われ
是
(
これ
)
を
畏懼
(
いく
)
するや久し。今皇師大挙して征討せらる。いかでか是に抗し奉らん。ねがわくば爾今以後飼部となり、船柁干さずして貢物を納め、また男女の調を奉らん。この誓や神明の前に於てす。
日本上古の硬外交
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
爾来
(
じらい
)
数年の間自分は孤独、
畏懼
(
いく
)
、苦悩、悲哀のかずかずを尽くした、自分は決して幸福な人ではなかった、自分の
生活
(
ライフ
)
は決して
平坦
(
へいたん
)
ではなかった。
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
一瞬間、階段の上にいた一行は、極度の恐怖と
畏懼
(
いく
)
とのために、じっと立ち止った。次の瞬間には、幾本かの
逞
(
たくま
)
しい腕が壁をせっせとくずしていた。壁はそっくり落ちた。
黒猫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
無窮無限という事実も貴様には
何等
(
なんら
)
、感興と
畏懼
(
いく
)
と沈思とを
喚
(
よ
)
び起す当面の大いなる事実ではなく、数の連続を
以
(
もっ
)
てインフィニテー(無限)を式で示そうとする数学者のお仲間でしょう。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
“畏懼”の意味
《名詞》
畏 懼(いく)
恐れ憚ること。
(出典:Wiktionary)
畏
常用漢字
中学
部首:⽥
9画
懼
漢検1級
部首:⼼
21画
“畏”で始まる語句
畏
畏怖
畏敬
畏友
畏縮
畏多
畏服
畏嚇
畏承
畏震