へう)” の例文
へうになひて、赤壁せきへきし、松島に吟ずるは、畢竟ひつきやうするにいまだ美人を得ざるものか、あるひは恋に失望したるもののばんむを得ずしてなす、負惜まけをしみ好事かうずに過ぎず。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
京都の祇園新地にはなへう六といふ幇間が居る。他人ひとの座敷でお喋舌しやべりをしたり、取持をしたりして、やつ生活くらしを立ててゐる身は、考へてみると詰らぬ事が多かつた。