理詰りづめ)” の例文
理詰りづめで判断はできるが、自分はだいたいの見地けんちよりこの問題を見る力なく、取捨しゅしゃ去就きょしゅうに迷うゆえ、いわゆる先輩の判断をうというならば
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
調書は法律知識のある判検事が理詰りづめで作上げたものであるから、前後一貫、些の矛盾や破綻を示さない。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
今の今まで他人の事のように思って耳を傾けていた事件の説明が、急角度に私の方に折れ曲って来たので……そうして身動きも出来ない理詰りづめの十字架に、ヒシヒシと私を縛り付け初めたので……。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
も達し家主の身に取ても然樣さやうなることのしれし上は打捨うちすてては役儀もすまざること故夫々に手配てくばりなし御番所へ願ひ出るにより此時の證據人に相違さうゐ無く御立下たちくだされよとお光倶々とも/″\退引のつぴきさせぬ理詰りづめだんじに忠兵衞は暫時しばしもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「うむ、何とかぬかせやい、おいらの方から出て行ってやりてえのだが、理詰りづめの槍になっているからそうはいかねえのだ、ここは手前てめえの方から出て来るところだ、盲目めくらなら仕方がねえが、盲目でなかったら出て来いやい」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)