せも)” の例文
旧字:
只今ただいま、電燈をけますからどうかそこからおはいり下さい。入口は少しせもうございますが、中は大へん楽でございます。」
さるのこしかけ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「この室が、第一せもうござんすねえ」お妻も夫の眼のあとについて、しげしげ一座を見廻わしながら云った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
婆「はい、せもうござえますし、それに殿様が入らっしたって、汚くって坐る処もないが、うえ藤右衞門とうえもんとこ屏風びょうぶが有りますから、それを立廻たてまわしてあげましょう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
... しかしショーランドの霜降は幅がせもうございますから双方を比べてみると分ります」妻君「なるほど、そううかがえば小さく切って持って来た時はいつでも硬くって不味まずいようです。それでは牛肉を ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
鼠は世間がせもうなった。
若牛のロース肉と老牛のロース肉とを並べてみますと老牛の方は筋が深く肉へ入っていて肉の幅がせもうございます。牛肉のお料理をこしらえる時にはそういう処からしらべて参らなければなりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)