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物乞
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ものご
ふりがな文庫
“
物乞
(
ものご
)” の例文
この附近の竹林に住んでいる
物乞
(
ものご
)
いに、二、三度食べものを恵んでやったことがあるから、そのお
菰
(
こも
)
であろうと気をゆるした。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
料理店の給仕——通行人に青枝付きの
香橙
(
オレンジ
)
を差し出して路上で
物乞
(
ものご
)
いをし、
追従
(
ついしょう
)
的な流し目を使う、聖ヨハネみたいな少年。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
母親のために
物乞
(
ものご
)
いに出されている子供たちを、見たことはないのかい? そういう母親たちがどこで、どんな風に暮らしているか、僕はちゃんと知っている。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
燈
(
ひ
)
ともしころのことでありまして、わたしはその日、そのお宅へ、
物乞
(
ものご
)
いに参ったのでございます。
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
青年がその日の生活に困って、
物乞
(
ものご
)
いをするのだと思ったからである。けれども、自分はすぐ勘違いをしたことに気づいた。青年の服装はきちんとして靴も光っていた。
謎の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
▼ もっと見る
恋敵の前に頭を下げて、
物乞
(
ものご
)
いをしている自分自身が、
此上
(
このうえ
)
もなくみじめに見えた。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
バイオリンとリスの
籠
(
かご
)
とを持つて、裏通りをぬけて、町外れにさしかゝりますと、あの三人の盲人が、道ばたにかゞんで、帽子を差出して、通りかゝる人々に
物乞
(
ものご
)
ひをしてゐました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
中にはそういう
物乞
(
ものご
)
いに慣れ、逆に社会の不合理を訴え、やる瀬のない憤りを残して置いて行くような人々も少なくない。私は自分に都合のできるだけの金をそういう人々の前に置き
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「べらぼうめ、
物乞
(
ものご
)
いがそんな
錆刀
(
さびがたな
)
なんぞをヒネクリまわしたところで、だれがしりごみするものか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「金貨が一枚あれば、これから町へ行つて、すぐに
物乞
(
ものご
)
ひをしなくてもいゝ。
先
(
ま
)
づ、宿屋へはいつて、久しぶりにうまい
御馳走
(
ごちそう
)
をたべて、やはらかいベッドに寝て、ぐつすり眠らうぢやないか」
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「——
物乞
(
ものご
)
いじゃないか、てめえは、ふざけた奴だ、顔を貸せの、喜平だのと」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「待たねえか、そこへゆく
物乞
(
ものご
)
い」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
乞
常用漢字
中学
部首:⼄
3画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思