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牝豹
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めひょう
ふりがな文庫
“
牝豹
(
めひょう
)” の例文
猿沢夫人は痩せぎすの、
敏捷
(
びんしょう
)
そうな身体つきの女性です。顔は美しいけれどもやや険があって、それは
牝豹
(
めひょう
)
か何かを
聯想
(
れんそう
)
させました。
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
ミチはきつい眼になり、その白い頬を
痙攣
(
けいれん
)
させ、構えもせずに
牝豹
(
めひょう
)
を思わせる
敏捷
(
びんしょう
)
さで男に飛びつくと、その口に近い皮膚を力をこめて
抓
(
つね
)
った。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
弱い
兎
(
うさぎ
)
を、
苛責
(
いじ
)
める
牝豹
(
めひょう
)
か何かのように、瑠璃子は
何処
(
どこ
)
までも、皮肉に逆に逆に出るのであった。美奈子は、青年の顔を見るのに
堪
(
た
)
えなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
いつまでも、いつまでも、獲物を狙う
牝豹
(
めひょう
)
のような感じで、名探偵を凝視しつづけた。真暗な中から、ひどく弾んだ息遣いが、ハッハッと薄気味悪く聞えた。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なんにも言えず飼い馴らされた
牝豹
(
めひょう
)
のように、そのままそっと、辞し去った。お庭の満開の桃の花が私を見送っていて、思わずふりかえったが、私は花を見て居るのではなかった。
狂言の神
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
「中国の人間どもは、孔明孔明とみな怖れるが、この孟獲の眼から見れば、一匹の象、一匹の
牝豹
(
めひょう
)
にも足りない。いわんやその下の
野狐城鼠
(
やこじょうそ
)
どもをや。——やい、
忙牙長
(
ぼうがちょう
)
、あいつを
圧
(
お
)
し
潰
(
つぶ
)
せ」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は
牝豹
(
めひょう
)
の前の
兎
(
うさぎ
)
のごとく、葉子を
礼讃
(
らいさん
)
し、屈従していた。処女のような
含羞
(
はにかみ
)
があるかと思うと、不良少年のような
聡慧
(
そうけい
)
さをもっていたが、結局人間的には哀れむべき不具者としか思えなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
牝
漢検準1級
部首:⽜
6画
豹
漢検準1級
部首:⾘
10画
“牝”で始まる語句
牝牛
牝
牝鶏
牝馬
牝鹿
牝犬
牝牡
牝猫
牝豚
牝羊