渓間けいかん)” の例文
旧字:溪間
樹木の鬱蒼うっそうたる穴迫あなせこ谷の大きな渓間けいかんを、一段高く埋めてうねうねと走っているので、三十町にわたるその全熔岩流を何の遮られるものもなく
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
葱嶺そうれいゆるに毒風肌を切り、飛砂みちふさぐ、渓間けいかん懸絶けんぜつするにへば、なわを以てはしとなし、空にはしごして進む」
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
只管ひたすら写真機械をたづさへ来らざりしをうらむのみ、いよ/\溯ればいよ/\奇にして山石皆凡ならず、右側の奇峰きばうへて俯視ふしすれば、豈図あにはからんや渓間けいかんの一丘上文珠もんじゆ菩薩の危坐きざせるあり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)