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涼台
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すずみだい
ふりがな文庫
“
涼台
(
すずみだい
)” の例文
夏の夜の事で、その辺の芸者家ではいずれもまだ戸を明けたまま、芸者は門口の
涼台
(
すずみだい
)
に腰をかけて話をしているのを、男はなれなれしく
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
やっぱり花火というものは、夏の夜にみんな
浴衣
(
ゆかた
)
を着て庭の
涼台
(
すずみだい
)
に集って、
西瓜
(
すいか
)
なんかを食べながらパチパチやったら一ばん綺麗に見えるものなのでしょうね。
冬の花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
夏の下町の
風情
(
ふぜい
)
は大川から、夕風が
上潮
(
あげしお
)
と一緒に押上げてくる。洗髪、
素足
(
すあし
)
、
盆提灯
(
ぼんちょうちん
)
、
涼台
(
すずみだい
)
、
桜湯
(
さくらゆ
)
——お邸方や
大店
(
おおだな
)
の歴々には味えない町つづきの、星空の下での懇親会だ。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
蘇生
(
いきかえ
)
るような空気が軒へ通って来た。夕方から三吉は姪を集めて、遠く
生家
(
さと
)
の方に居るお雪の
噂
(
うわさ
)
を始めた。表の方の農家でも往来へ
涼台
(
すずみだい
)
を持出して、夏の夜風を楽しむらしかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
蘿月は女房のお
滝
(
たき
)
に注意されてすぐにも今戸へ行くつもりで
格子戸
(
こうしど
)
を出るのであるが、その
辺
(
へん
)
の
涼台
(
すずみだい
)
から声をかけられるがまま腰を
下
(
おろ
)
すと、
一杯機嫌
(
いっぱいきげん
)
の
話好
(
はなしずき
)
に
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
三枚つづき五枚つづき、似顔絵のうまい絵師のが
絵草紙屋
(
えぞうしや
)
の店前にさがると、何町のどこでは
自来也
(
じらいや
)
が出来たとか、どこでは
和唐内
(
わとうない
)
の
紅流
(
べになが
)
しだとか、気の早い
涼台
(
すずみだい
)
のはなしの種になった。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
涼
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
台
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“涼”で始まる語句
涼
涼風
涼気
涼傘
涼夜
涼朝
涼炉
涼絹
涼味
涼場