気流きりゅう)” の例文
やがて、ふゆり、はるになろうとして、気流きりゅうあらそいました。みだれるくもあいだから、太陽たいよう下界げかいをのぞいて、たゆみなき人間にんげん努力どりょくをながめながら
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふだんに寒冷かんれい気流きりゅうがあって、よほどな射手いてが、よほどなをおくらぬかぎり、その気流のさからいをうけずにまとへあたるということはありえないだろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
谷間たにま気流きりゅうをうけてそれたのか、あるいは弦切つるぎれの微妙びみょうな指さきに、なにかのおちどがあったのだろうか、とにかく、白鳥の峰へとどかぬうち、きりのごとくかげして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)