毛綱けづな)” の例文
今まではちっとも眼にかなかったが、綱は人間の髪毛かみのけよって固く編まれたもので、所謂いわゆる毛綱けづな」のたぐいであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ぴんからきりまで心得て穴熊あなぐま毛綱けづな手品てづまにかゝる我ならねば負くるばかりの者にはあらずと駈出かけだしして三日帰らず、四日帰らず、あるいは松本善光寺又は飯田いいだ高遠たかとおあたりの賭場とばあるき
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
が、何人なんぴとの考えも同じことで、巡査も毛綱けづなすがって、行かれる所まで行ってようと思い付いた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
巡査はう決心して、再び四辺あたりに鋭い眼を配ると、岩角に結び付けられたるの長い毛綱けづなを見出した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)