武威ぶい)” の例文
新羅三郎しんらさぶろう以来二十六せいをへて、四りん武威ぶいをかがやかした武田たけだ領土りょうどは、いまや、織田おだ徳川とくがわの軍馬に蹂躪じゅうりんされて、焦土しょうどとなってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隅田、高橋の両武将が、もろくも正成まさしげのために渡辺の橋で破られ、関東の武威ぶい失墜しっついするや
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
旧記に観ると、この犬山の城は、永享えいきょうの末に斯波しば氏の家臣織田おだ氏がこの地を領し、斯波満桓みつたけが初めて築いたとある。斯波氏が滅びてから織田、徳川の一族がって武威ぶいを張った。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
かれは、従えて来た扈従こじゅうの武者群を、左右にひらかせ、その中央に、武威ぶいをこらした盛装せいそうよろわれた自身を置き——きっと、此方こなたを見まもっていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたさぬとあれば、徳川家とくがわけ武威ぶいのほどをしめしても申しうけるがどうじゃ!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)