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歔欷
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きよき
ふりがな文庫
“
歔欷
(
きよき
)” の例文
その
父
(
ちゝ
)
と子の心と心とが
歔欷
(
きよき
)
の中にぴつたり抱き合ふ
瞬間
(
しゆんかん
)
の
作者
(
さくしや
)
の筆には、恐ろしい程
眞實
(
しんじつ
)
な
愛
(
あい
)
の
發露
(
はつろ
)
を
鋭
(
するど
)
く
描
(
ゑが
)
き出してゐるではありませんか。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
若し卿等にして予が児女の情あるを
哂
(
わら
)
はずんば、予は居留地の空なる半輪の月を仰ぎて、
私
(
ひそか
)
に従妹明子の幸福を神に祈り、感極つて
歔欷
(
きよき
)
せしを語るも善し。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
派手な水色のパラソルに日影が照つたり、出帆の時刻が近づいて行くにつれて、談話が囁きに、囁きが
歔欷
(
きよき
)
に、次第に別離の光景をそのあたりに描き出すやうになつて行つた。
犬
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
「何卒、篠田さん、御赦し下さいまし——
貴所
(
あなた
)
の、御災難の
原因
(
もと
)
はと申せば、——私が貴所を御慕ひ申したからで御座います——」梅子は畳に伏せり、
歔欷
(
きよき
)
の
音
(
ね
)
、時に
微
(
かすか
)
に聞ゆ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
朕
(
ちん
)
歔欷
(
きよき
)
セサルハナシ——大體かういふ意味であつた。
滑川畔にて
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
▼ もっと見る
歔欷
(
きよき
)
のこゑ
室
(
しつ
)
に滿ちたり
故郷の花
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
しかも涙は
益
(
ますます
)
眼に溢れて来る——乙州は遂に両手を膝の上についた儘、思はず
嗚咽
(
をえつ
)
の声を発してしまつた。が、この時
歔欷
(
きよき
)
するらしいけはひを洩らしたのは、独り乙州ばかりではない。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は
面
(
かほ
)
を
掩
(
おほ
)
うて
歔欷
(
きよき
)
したり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
歔欷
(
きよき
)
の声
室
(
しつ
)
に満ちたり
池のほとりに柿の木あり
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
老婆は
歔欷
(
きよき
)
して
言語
(
ことば
)
なし
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
歔
漢検1級
部首:⽋
16画
欷
漢検1級
部首:⽋
11画
“歔欷”で始まる語句
歔欷流涕