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欝陶
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うつたう
ふりがな文庫
“
欝陶
(
うつたう
)” の例文
まだ若さうな着流し、彌造が板について、
頬冠
(
ほつかぶ
)
りは少し
欝陶
(
うつたう
)
しさうですが、素知らぬ顏で格子から赤いお神籤を解く手は、恐ろしく器用です。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
城内と云はず郊外と云はず空一面、
蒙古
(
もうこ
)
の
砂漠
(
さばく
)
からのあの灰いろの
埃
(
ほこり
)
に包まれてしまつた。これがこの都会の名物なのだ。静かだが
霖雨
(
りんう
)
のやうに際限なく
欝陶
(
うつたう
)
しい。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
判事はあの
欝陶
(
うつたう
)
しい部屋で、あの
気色
(
きしよく
)
悪い人間の死を
訪
(
おとづ
)
れることを避ける為には、少くない金をも
吝
(
をし
)
まなかつた。婚礼と新築祝ならいつでも行くんだけれど、俺は病人や葬式は真平だ。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
欝陶
(
うつたう
)
しい
魂
(
たましひ
)
の旅が始まる……
冬の歌
(新字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
一つは眞砂町の喜三郎の向うを張つて、厄介な事件に捲き込まれる
欝陶
(
うつたう
)
しさが嫌だつたのでせう。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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番頭の金五郎の顏には謹み深い
嗜
(
たしな
)
みはあるにしても、さして
欝陶
(
うつたう
)
しい悲歎の色もありません。
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
例へば狹くて
欝陶
(
うつたう
)
しい平次の家の庭の隅に遠慮しい/\吹いてゐる、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
のやうな——。
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
髮の毛の
欝陶
(
うつたう
)
しいほど多い、ブルース唄ひのやうに少し聲の
皺枯
(
しわが
)
れた、そのくせ血色が
鮮
(
あざや
)
かで、滿身
悉
(
こと/″\
)
く
媚
(
こび
)
と肉感とででつちあげたやうなお染は、百足屋の内儀お貞の、淋しくつゝましく
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
伜の金五郎の家出の原因といふのは、少し遊び過ぎただけの事で、大した問題ではありませんが、それより吾妻屋に取つて
欝陶
(
うつたう
)
しい問題は、ツイ地續きの隣に住んでゐる、田島屋との
紛紜
(
いざこざ
)
でした。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
欝陶
(
うつたう
)
しい日が續きました。親分の錢形平次はまだ歸らず、お靜を相手の留守番には八五郎の叔母が行つてくれましたが、石原町の吾妻屋殺しの方は一向目鼻もつかなかつたのです。三日目の晝頃。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分が、あの伜と掛け合つてゐるうち、あつしは二、三人達者な奴と逢つて來ましたよ。何しろあの
青瓢箪
(
あをべうたん
)
野郎と來た日にや、煮え切らなくて、
欝陶
(
うつたう
)
しくて、話をしてゐると、
痺
(
しびれ
)
がきれるでせう」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お紋はさう言ひ乍ら、
欝陶
(
うつたう
)
しさうに島田髷の
鬘
(
かつら
)
を取るのでした。
銭形平次捕物控:171 偽八五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
欝
部首:⽊
25画
陶
常用漢字
中学
部首:⾩
11画
“欝”で始まる語句
欝
欝蒼
欝々
欝金
欝憤
欝勃
欝積
欝然
欝屈
欝葱