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『冬の歌』
ふりがな文庫
『
冬の歌
(
ふゆのうた
)
』
古家を洩れて 蒼い夕をおとづれる 沈黙の煙の翅。 匍ひ廻る霧の奥に 森や山が闇を語つてゐる。 ほそぼそと銀を乱す 蜘蛛の網の 湿り気を吐く糸目にまつはつて 苦しい死を訴へる羽虫のなきがら。 こごえた冬のうろつくところ 欝陶しい魂の旅が始まる …
著者
三富朽葉
初出
「自然と印象 第九集」自由詩社、1909(明治43)年2月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約1分(500文字/分)
朗読目安時間
約1分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
魂
(
たましひ
)
廻
(
めぐ
)
欝陶
(
うつたう
)
洩
(
も
)
翅
(
はね
)
蜘蛛
(
くも
)