橋上きょうじょう)” の例文
殊に歳暮さいぼの夜景の如き橋上きょうじょうを往来する車のは沿岸の燈火と相乱れて徹宵てっしょう水の上にゆらめき動く有様銀座街頭の燈火よりはるかに美麗である。
 句意は橋上きょうじょうの霜に足跡あるを見て、大方おおかた里人のはや渡りたらんかと想像したるまでなり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
橋上きょうじょう橋下きょうか
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
繁華の橋上きょうじょう乗込のりこみの役者を迎ふる雑沓の光景(第二図)より、やがて「吹屋町ふきやまちすぐれば薫風くんぷうたもとを引くに似た」る佐野川市松さのがわいちまつ油店あぶらみせ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
駒形堂こまかたどうの白壁に日脚ひあしは傾き、多田薬師ただのやくし行雁ゆくかり(中巻第七図)に夕暮迫れば、第八図は大川橋の橋袂はしたもとにて、竹藪たけやぶ茂る小梅の里を望む橋上きょうじょうには行人こうじん絡繹らくえきたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼は日本橋橋上きょうじょうの人物倉庫船舶等の輪廓を描くに日本画の特色たる墨色ぼくしょくの線を廃し、全画面の色調を乱さざらんがため緑と藍との二色にしょくの線を以てしたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)