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枯薄
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かれすすき
ふりがな文庫
“
枯薄
(
かれすすき
)” の例文
私の家などは町から五里、隣は
枯薄
(
かれすすき
)
の空屋敷であって、どの窓からも一本ずつ、かなり大きな松の樹が見える。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
はじめ、その山、その岩、その霜、蜜柑畑も
枯薄
(
かれすすき
)
も、娘の姿も車夫の
状
(
さま
)
も、浮世に遠き趣ならずや。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この時自分は、浜の
堤
(
つつみ
)
の両側に背丈よりも高い
枯薄
(
かれすすき
)
が
透間
(
すきま
)
もなく生え続いた中を行く。浪がひたひたと
石崖
(
いしがけ
)
に当る。ほど経て横手からお長が白馬を曳いて上ってきた。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「それは
行燈
(
あんどん
)
の変形だ、
枯薄
(
かれすすき
)
を幽霊と見るようなものだ、では、だれか行って見届けておいで」
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここには主として武田君の考定されたものを採用してあるが、同君も
其
(
その
)
後更に新しい材料に
拠
(
よ
)
って改称されたものがあるかも知れぬと思う。この頂上は平で南面には
枯薄
(
かれすすき
)
が立っている。
初旅の大菩薩連嶺
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
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その
涯
(
はて
)
には、一帯の山脈が、日に背いてゐるせゐか、かがやく可き残雪の光もなく、紫がかつた暗い色を、長々となすつてゐるが、それさへ
蕭条
(
せうでう
)
たる
幾叢
(
いくむら
)
の
枯薄
(
かれすすき
)
に
遮
(
さへぎ
)
られて、二人の従者の眼には
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
がさりと音を立てて
枯薄
(
かれすすき
)
の中へ
仰向
(
あおむ
)
けに倒れた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
枯
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
“枯”で始まる語句
枯
枯木
枯草
枯葉
枯蘆
枯枝
枯野
枯死
枯山
枯渇