トップ
>
朱唇
>
くちびる
ふりがな文庫
“
朱唇
(
くちびる
)” の例文
手も、足も身体中の
活動
(
はたらき
)
は一時に
息
(
とま
)
って、一切の血は春の潮の
湧立
(
わきた
)
つように
朱唇
(
くちびる
)
の方へ流れ注いでいるかと思われるばかりでした。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
黒髪バラリと振り掛かれる、
蒼
(
あを
)
き
面
(
おもて
)
に血走る双眼、日の如く輝き、
怒
(
いかり
)
に
震
(
ふる
)
ふ
朱唇
(
くちびる
)
白くなるまで
噛
(
か
)
み
〆
(
し
)
めたる梅子の、心
決
(
きは
)
めて見上たる美しさ、
只
(
たゞ
)
凄
(
すご
)
きばかり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
的面
(
まとも
)
に屹と首領の覆面を見据えて、
朱唇
(
くちびる
)
には火のような言葉を吐きます。
青い眼鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何とも物は仰いませんでしたけれど、御顔を見ているうちに、美しい
朱唇
(
くちびる
)
が
曲
(
ゆが
)
んで来て、
終
(
しまい
)
に
微笑
(
にっこりわらい
)
になって了いました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
誰が
卑賤
(
いや
)
しい穢多の子と知つて、其
朱唇
(
くちびる
)
で笑つて見せるものが有らう。もしも自分のことが世に知れたら——斯ういふことは考へて見たばかりでも、実に悲しい、腹立たしい。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
奥様のあの美しい
朱唇
(
くちびる
)
から、こんな御言葉が出ようとは私も思掛ないのです。浅はかな、御自分の罪の露顕する怖しさに、私を邪魔にして追出そうとは——さてはと前の日の夢の御話も思当りました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
朱
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
唇
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
“朱”で始まる語句
朱
朱塗
朱雀
朱鞘
朱鷺色
朱実
朱欒
朱羅宇
朱総
朱泥