暗討やみう)” の例文
かのヒュースケンの暗討やみうち一件をみても判ったことで、彼等からは幕府にむかって厳重の掛け合いを持ち込んでくるに相違ない。
半七捕物帳:40 異人の首 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
暗討やみうちさせるとは何事でござりますか。——しかもその前に、敵の秀吉に気脈を通じ、利にまどわされて、味方を売るしめし合わせを遊ばしての上とは……
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今宵の宴会の終りに近藤勇は、その馴染なる木津屋の御雪を呼ぶか、御雪のところへ行くか、然らずばおそくこの屋敷へ帰る。そのすきを見て多勢で暗討やみうち。
これは私ども下々しもじもには、何とも確かな事は申し上げる訳に参りませんが、恐らくは御承知の通り御闊達な御姫様の事でございますから、平太夫からあの暗討やみうちの次第でも御聞きになって
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
で、昨夜の饂飩は暗討やみうちだ——今宵こよいの蕎麦は望むところだ。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おのれ、誰に頼まれて、われわれの御主人を暗討やみうちしようとした。申せ。じつかさねばめ殺すぞ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから、おれを暗討やみうちにするとて、つけおったが、時々油断を見ては、夜道にてすっぱ抜きをしてきりおったが、時々、羽織など少しずつ切ったが、傷は附けられたことはなかった。
するにも、大安とか仏滅とか、こよみと相談でなければ出来ないのか。昨夜のように、相手が酩酊めいていして帰る途中を待ち伏せして、暗討やみうちをしかけなければ刃物はぬけないと申すのか
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藩庁へ打合せのことがあって与右衛門が弘前の城下へ、出て来た折、与右衛門は、何者とも知れない武士から暗討やみうちをうけた。倖いに、危険はのがれて帰任したが、もうその頃から
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
(丈八郎を、暗討やみうちするか——もう一度、ぶつかって、心をひるがえさせてみるか——)
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)