時好じこう)” の例文
ましてやこの大島田おほしまだをりふしは時好じこう花簪はなかんざしさしひらめかしておきやくらへて串談じようだんいふところかば子心こゞころにはかなしくもおもふべし、去年きよねんあひたるときいま駒形こまかた蝋蠋ろうそくやに奉公ほうこうしてまする
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし、流行のたんはここからでも、それを欲する時好じこうの素地は一般にあった。朝廷方でも、みな時好にならい、男でも、うす化粧して、まゆをかき、紅さえほおにいている若公卿が殖えて来ている。
ましてやこの大島田に折ふしは時好じこう花簪はなかんざしさしひらめかしてお客をらへて串談じようだんいふ処を聞かば子心には悲しくも思ふべし、去年あひたる時今は駒形こまかた蝋燭ろうそくやに奉公してゐまする
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)