“文子(ふみこ)” の例文
つかれた足をひきずって二、三間(げん)歩きだすとそこでひとりの女の子にあった。それは光一の妹の文子(ふみこ)であった。かの女(じょ)は尋常(じんじょう)の五年であった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
まあ聞き給(たま)え、この話は君にとっても一寸興味があり相(そう)なんだから。と云うのは、その木下芙蓉の本名が木下文子(ふみこ)なんだ。君、思い出さないかい。
虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「まあお兄様、それじゃもうすっかり調べ終ってしまったの?」そばから妹の文子(ふみこ)が手を拍(う)っていった。「それじゃこん度は私はお役目なしなのね」
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
荻江の文子(ふみこ)さんが来て、小竹(こたけ)も梅子(うめこ)も内に遊んでゐましたといふに、そんなら呼べと座は遽(にわか)に賑(にぎや)かになりぬ、三谷が梅子に可哀さうに風を引いてゐるといへば、お万引き取りて
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
コドモ委員の文子(ふみこ)さんが、立ち上りました。
仔猫の裁判 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
× 月 × 日文子(ふみこ)
秘密の相似 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
文子(ふみこ)と命名。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「御免なさい」そういって部屋へ入ってきたのは、龍介君の妹で尋常六年生、文子(ふみこ)さんという活溌な、少女だった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
文子(ふみこ)はこのうえ反対ができなかった、かの女は五、六度女中や店の者と共にここへきたことがあるのだ。写真を見たとて母に叱(しか)られはしまい。こう思った。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
妹の文子(ふみこ)はいつもこうわらう、兄妹の規約としておそく起きたものがおじぎをすることになっている、光一は毎日妹におじぎをせねばならなかった。癪(しゃく)にさわるが仕方がない。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
龍介は仲良しの拳骨(メリケン)壮太と、妹の文子(ふみこ)をつれて、自動車で日本ホテルへ向った。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
龍介は妹の文子(ふみこ)を自分の部屋へ連れこんで一時間ばかり何か話していたが、やがて文子は何度もうなずいて、固い決心の色を見せながら、そっと唯(ただ)一人、どこへともなく家を出ていった。
黒襟飾組の魔手 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)