もが)” の例文
「あツ、」とまたはげしい婦人おんなの悲鳴、此のときには、其のもがくにつれて、はんの木のこずえの絶えず動いたのさへんだので。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一度でも忘れると、たなそこをめぐらさず、田地田畠、陸は水になる、沼になる、ふちになる。幾万、何千の人の生命いのち——それを思うと死ぬるも死切れぬと、呻吟うめいてもがく。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)