掻集かきあつ)” の例文
内から呉れた金が一もあったか、そのほか和蘭オランダの字引の訳鍵やくけんと云う本をうって、掻集かきあつめた所で二しゅか三朱しかない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一時いっとき、その光にクラクラと眩惑したお絹は、ついにその手燭を畳の上へさしおいて、両の手を以て、木の葉の舞う如く散乱する金銀を掻集かきあつめにかかります。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
看護みとりもせず其上家財かざい着類きるゐ金子迄掻集かきあつめ家出なし三年の今日迄行衞ゆくゑ知ず母には實の娘一人ありけるが夫を同伴ともなひて此家を出しは我が家の次第にかたむく身代に見切を付て他へうつおん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いだくように胸のあたりまで火の上にかざしつ、眼しばだたきてありしが、いざとばかり腰うちのばし、二足三足ふたあしみあしゆかんとして立ちかえれり、燃えのこりたる木の端々はしばし掻集かきあつめて火に加えつ
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)