つゞ)” の例文
対岸に並びつゞく家々の屋根、ところ/″\に高い寺院の建築物たてもの、今は丘陵のみ残る古城の跡、いづれも雪に包まれてかすかに白く見渡される。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
薄茶色うすちやいろを全体に吹いて、やわらかいこづえはじてんつゞく所は、糠雨ぬかあめぼかされたかの如くにかすんでゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
斯の廊下が裏側の廊下につゞいて、丁度本堂へ曲らうとする角のところで、急に背後うしろの方から人の来る気勢けはひがした。思はず丑松は振返つた。省吾も。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)