持出もちいで)” の例文
さてまた文右衞門の女房は勝手かつてにて番茶ばんちやを入れ朶菓子だぐわしなどを取揃とりそろへて持出もちいでたるに長八は大橋が義氣ぎきの強きを彌々感じ心中に成程なるほどかくまで零落れいらくなしても武士の道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きつて早くも人込ひとごみの中へ迯込にげこんだり軍平もあとより追駈おつかけけれども終に見失みうしなひ切たる片袖は軍平が手にのこりければ奧田が前へ持出もちいでて只今火附を捕へんとせし處斯の如く袖を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
相願はれ候如何いかゞはからひ申さんといふに天一坊はゆるすと計り言葉少なに言放せば大膳はかぎ取出し二品を取出し三寶さんばうのせ持出もちいで伊豆守殿の前に差置さしおくにぞ伊豆守殿初め重役の面々各々手水てうづして先御墨附を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)