拾銭じっせん)” の例文
旧字:拾錢
赤シャツは一人ものだが、教頭だけに下宿はとくのむかしに引きはらって立派な玄関げんかんを構えている。家賃は九円五拾銭じっせんだそうだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぼくあたまは、拾銭じっせんあたまだ。ってから、もう四、五にちたったのだけれど、いちばんいいにおいがするだろう……。」と、いってはなしたり、わらったりしていました。
五銭のあたま (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしかんがえますのに、三げんが、おなじく八せんにすれば、やはりおなじことです。わたしは、いままでどおり拾銭じっせんにして、仕事しごとをていねいにして、あぶら香水こうすい上等じょうとう使つかいます。
五銭のあたま (新字新仮名) / 小川未明(著)
げんが、おなじく拾銭じっせんであればこそ、こういうように競争きょうそうこるのだけれど、そのうちの一けんやすくすれば、おきゃくは、しぜんやすいほうへくるにちがいないと、一けん主人しゅじんかんがえたのです。
五銭のあたま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あっ、拾銭じっせんどっかへやっちゃった。」
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)