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拾銭
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じっせん
赤シャツは一人ものだが、教頭だけに下宿はとくの
昔に引き
払って立派な
玄関を構えている。家賃は九円五
拾銭だそうだ。
「
僕の
頭は、
拾銭の
頭だ。
刈ってから、もう四、五
日たったのだけれど、いちばんいい
香いがするだろう……。」と、いって
話したり、
笑ったりしていました。
私は
考えますのに、三
軒が、
同じく八
銭にすれば、やはり
同じことです。
私は、いままでどおり
拾銭にして、
仕事をていねいにして、
油や
香水の
上等を
使います。
三
軒が、
同じく
拾銭であればこそ、こういうように
競争が
起こるのだけれど、その
中の一
軒が
安くすれば、お
客は、しぜん
安いほうへくるにちがいないと、一
軒の
主人は
考えたのです。