披靡ひび)” の例文
南軍の将平安へいあん驍勇ぎょうゆうにして、かつて燕王に従いて塞北さいほくに戦い、王の兵を用いるの虚実をる。先鋒せんぽうとなりて燕に当り、ほこふるいてすすむ。瞿能くのう父子もまた踴躍して戦う。二将のむかう所、燕兵披靡ひびす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
〔評〕兵數はいづれかおほき、器械きかいは孰れかせいなる、糧食りやうしよくは孰れかめる、この數者を以て之をくらべば、薩長さつちやうの兵は固より幕府に及ばざるなり。然り而して伏見ふしみの一戰、東兵披靡ひびするものは何ぞや。