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打顫
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うちふる
ふりがな文庫
“
打顫
(
うちふる
)” の例文
よろづの物われを
惑
(
まどわ
)
しわれを疲らす。
行
(
ゆ
)
く雲軽く
打顫
(
うちふる
)
ひ、慾情の乱れ、ゆるやかなる小舟の如く、しめやかなる夜に流れ
来
(
きた
)
る。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
得忘れぬ面影に
肖
(
に
)
たりとは
未
(
おろか
)
や、得忘れぬその面影なりと、ゆくりなくも認めたる貴婦人の
鏡
(
グラス
)
持てる手は
兢々
(
わなわな
)
と
打顫
(
うちふる
)
ひぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そは、かずかずの
薔薇
(
さうび
)
の
打顫
(
うちふる
)
ふいみじき花の姿を
失楽
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
宮は
忽
(
たちま
)
ち全身の血の氷れるばかりの寒さに
堪
(
た
)
へかねて
打顫
(
うちふる
)
ひしが、この心の中を
覚
(
さと
)
られじと思へば、弱る力を励して
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
食卓に
肱
(
ひじ
)
つきて、さゝやかなる料理の皿もその
儘
(
まま
)
に、二人ともども思ひに沈めば、言葉もなく
唯
(
た
)
だ折々に、恋人は、吹く風の冷き吐息に
打顫
(
うちふる
)
ふ、あらはなる
其
(
そ
)
の腕を、わが唇の上によこたへき。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
脚
(
あし
)
は
打顫
(
うちふる
)
ひ打顫ひ、胸は今にも裂けぬべく
轟
(
とどろ
)
くを、
覚
(
さと
)
られじとすれば
猶
(
なほ
)
打顫ひ猶轟きて、貫一が面影の目に
沁
(
し
)
むばかり見ゆる外は、生きたりとも死にたりとも自ら分かぬ心地してき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
打顫
(
うちふる
)
ふ鈴の
音
(
ね
)
のごと
爽
(
さわやか
)
に
響
(
ひびき
)
は深く優しき声よ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
顫
漢検1級
部首:⾴
22画
“打”で始まる語句
打
打擲
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打毀