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手証
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てしょう
ふりがな文庫
“
手証
(
てしょう
)” の例文
旧字:
手證
「こんどの堺屋の一件は、やはり貴様の出しゃばりだろうが、お気の毒だが、でんぐりけえすぞ、そう思って貰おう。こッちに
手証
(
てしょう
)
があがった」
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
実はわっちの方にも之と云う
手証
(
てしょう
)
がねえもんですから、仰せの通り大きな声は出せねえのです。少しでも証拠がありゃ、今まで黙っちゃいないのです。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
こうして歩いているうちにはどこかで
出会
(
でくわ
)
すだろう、出会したら後をつけて
手証
(
てしょう
)
を押えて町奉行へ訴え出るんだ。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
手証
(
てしょう
)
が上らないからさ。あの姉歯という奴は、大学の婦人科に
居
(
お
)
った時分から、主任教授に化けて大学前の旅館に乗り込んで、姙婦を診察して金を取った形跡がある。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
無論に冠蔵の仕業であろうとは思ったが、その
手証
(
てしょう
)
を見とどけたわけでもないので、紋作はじっと
堪
(
こら
)
えてなんにも云わなかった。勿論、どの人形も自分のものではない。
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
堅い口留をして、ふとそれ等の事をお鈴に
洩
(
もら
)
したお島は、それを又お鈴から聞いて、
宛然
(
さながら
)
姦通
(
かんつう
)
の
手証
(
てしょう
)
でも押えたように騒ぎたてる、隠居の病的な
苛責
(
かしゃく
)
からおゆうを
庇護
(
かば
)
うことに骨がおれた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そうなったらお終いだ。陰謀の
手証
(
てしょう
)
を掴むことができない
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これは、給仕に出ていた女中のかねの口からわかったのですが、こんなはっきりした
手証
(
てしょう
)
がある以上、こりゃア、のっぴきならねえと思うのですが
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「冗談いっちゃいけない、今度という今度こそは、すっかり
手証
(
てしょう
)
を見たんだ。お前は、昨夜辻斬をしたな」
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
列び茶屋のお里のことが胸いっぱいにつかえていながらも、確かな
手証
(
てしょう
)
を見とどけていない悲しさには、さすがに正面から切り出すのを差し控えていなければならなかった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
君の手で確かな
手証
(
てしょう
)
を挙げてくれんか……エエ?……推定でない具体的な奴を……そいつを新聞に書く前に、僕の手に渡してくれれば、スッカリタタキ上げて君の方の
特別記事
(
とくだね
)
に提供するがね。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
万一、ここんところ暫くこの首がつなげるものなら、なにもこんな罪な真似をしなくとものことだ。兵助さん、お前の言うことが
真実
(
ほんとう
)
なら、何か
手証
(
てしょう
)
を見せておくんなさるめえか
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
証
常用漢字
小5
部首:⾔
12画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭