所行しょぎょう)” の例文
まことを云えば御前の所行しょぎょういわくあってと察したは年の功、チョンまげつけて居てもすいじゃ、まことはおれもお前のお辰にほれたもく惚た
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
第一に権兵衛が自分に面当つらあてがましい所行しょぎょうをしたのが不快である。つぎに自分が外記の策をれて、しなくてもよいことをしたのが不快である。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
結局、後の方の説が勢力を占めて、その役目を云いつけられた武士どもは、身分柄にもあるまじき拐引同様の所行しょぎょうをくり返すことになったのである。
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
僕から彼の所行しょぎょうを見ると、強盗が白刃しらはの抜身を畳に突き立てて良民を脅迫おびやかしているのと同じような感じになるのです。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
皆さんは、余りにも残酷な私の所行しょぎょうに、それその様に眉をしかめていらっしゃいます。そうです。これらは普通の人には想像もつかぬ極悪非道の行いに相違ありません。
赤い部屋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「いや、一しょにすべきものだ。成程天才は有為エフィシエントだろう。狂人は有為エフィシエントじゃないに違いない。が、その差別は人間が彼等の所行しょぎょうに与えた価値の差別だ。自然に存している差別じゃない。」
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
なお付記したいことは、明和八年のお蔭参りの後に出た「抜参夢物語ぬけまいりゆめものがたり」という書にも、人家の石臼が知らぬ間に目を切りかえてあるのを、弘法大師の所行しょぎょうとする説があったと述べている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そちが話を聞けば、甚五郎の申し分や所行しょぎょうも一応道理らしく聞こえるが、所詮しょせん間違まちごうておるぞよ。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかし観劇中にむやみに騒ぎ立てて劇の進行を妨害し、あわせて他の多数の観客に迷惑をあたえるというのは、かの大向おおむこうの徒とえらぶところなき無作法の所行しょぎょうであると、さんざんに痛罵つうばした。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)