惑星わくせい)” の例文
これなん先頃から洛陽郊外の澠池べんちに兵馬をめたまま、何進が再三召し呼んでも動かなかった惑星わくせいの人——西涼せいりょう刺史しし董卓とうたくであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燃料はもうすっかり無くなっていましたが、あとは月に引かれて、月のまわりを惑星わくせいのようにグルグル廻りつづけているのです。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
黄金色わうごんいろ金盞花きんせんくわ、男の夢にかよつてこれとちぎ魑魅すだまのものすごあでやかさ、これはまた惑星わくせいにもみえる、或は悲しい「夢」の愁の髮に燃える火。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
この場合、白骨温泉に落合った二ツの星が、どちらが惑星わくせいで、どちらが彗星すいせいだか知らないが、二つ共に、一定の軌道をめぐっていないことだけはたしかのようです。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「火星とはちがいますよ。火星は惑星わくせいですね、ところがあいつは立派な恒星こうせいなんです。」
土神ときつね (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
すくなくも、信長出現以後、天正・慶長にまでわたる無数の熒星けいせい惑星わくせいの現没にも触れてゆきたい。特になお、家康が書けていなくては、太閤記はまったしといえないと思う。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここにまた——東海の惑星わくせいといわれ、天下の大器ともられて、秀吉にとっても、このさき第一のやっかい者と考えられている徳川家康の大軍と、伊勢一円の北畠信雄の兵力
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど、惑星わくせい家康の反応は、可とも不可とも、全く不透明である。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉ひでよしをめぐる惑星わくせい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)