やすら)” の例文
さうした折にも、美奈子は、やつぱりそつと部屋を外して、縁側ヴェランダに出るのが常だつた。とにかく、彼女の小さい胸は、やすらいとまもない水鳥の脚のやうに動いてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
たみ作業なりはひをたのしむあまりに、春は花のもとやすらひ、秋は錦の林をたづね、しらぬ火の筑紫路つくしぢもしらではとかぢまくらする人の、富士筑波の嶺々みねみねを心にしむるぞそぞろなるかな。
とにかく、彼女の小さい胸は、やすらいとまもない水鳥の脚のように動いていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)