うらめ)” の例文
「伏姫は此形勢ありさまを。つく/″\と見給ひて。此犬誠に得度とくどせり。うらめるものゝ後身さいらいなりとも。既に仏果を得たらんには。」云々しか/″\
例えられぬほどうらめしく思われるに反して、蘿月の伯父さんの事がなんとなく取縋とりすがって見たいようになつかしく思返された。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
山本屋の前を通る時には、うらめしそうに二階を見挙げて行くそうだ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「おうらめしゅうございます。」
お小姓児太郎 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
たとへられぬほどうらめしく思はれるに反して、蘿月らげつ伯父をぢさんの事がなんとなく取縋とりすがつて見たいやうになつかしく思返おもひかへされた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)