たゆ)” の例文
彼の病はいまだ快からぬにや、薄仮粧うすげしやうしたる顔色も散りたるはなびらのやうに衰へて、足のはこびたゆげに、ともすればかしらるるを、思出おもひいだしては努めて梢をながむるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
たゆみつるは引き緊まれ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
かかるも彼はおのづと思に沈みて、その動す手もたゆく、裂きては一々読むかとも目をこらしつつ。やや有りて裂了さきをはりし後は、あだかもはげしき力作につかれたらんやうに、弱々よわよわと身を支へて、長きうなじを垂れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
直道はふさぎしまなこたゆげに開きて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)